SLEEP INTERVIEW
睡眠研究家 三橋先生に聞く寝返りとマットレスの関係
眠っている間、私たちは無意識に何度も寝返りを打っています。寝返りにはどのような意味があり、マットレスはその動きをどう支えるのでしょうか。睡眠研究家の三橋先生に、良い寝具の条件やマットレス選びのポイント、FINE REVO®の特徴について伺いました。
三橋先生
寝具の開発や監修に携わり、睡眠と身体の関係について情報発信を行う。今回の取材では、ASLEEPの複数のマットレスを実際に試し、寝返りのしやすさや身体の支え方について意見を聞いた。
目次
睡眠と寝具を研究するようになったきっかけ

ASLEEP編集部
先生が睡眠や寝具について研究するようになったきっかけを教えてください。
三橋先生
もともとは寝具メーカーに入ったことがきっかけです。寝具に関わる仕事をする以上、睡眠そのものを学ぶ必要があります。そこから勉強を始め、枕やマットレスの開発、監修にも携わるようになりました。
ASLEEP編集部
睡眠は身近な行為ですが、調べるほど多くの要素が関わっていると感じます。
三橋先生
そうですね。睡眠には身体を休めることに加えて、記憶の定着などさまざまな役割があります。単に長く横になればよいというものではありません。寝ている間の姿勢や身体への負担も含めて考える必要があります。
ASLEEP編集部
睡眠の悩みがあると、まず睡眠時間に目が向きがちです。寝具はどのように関係するのでしょうか。
三橋先生
睡眠時間はもちろん大切ですが、同じ時間眠っても、身体が無理な姿勢になっていたり、一部に圧が集中していたりすれば、朝に違和感が残ることがあります。寝具は、眠っている数時間の身体をずっと受け止めるものです。姿勢を保つこと、圧を分散すること、身体が動こうとしたときに妨げないことを考える必要があります。
ASLEEP編集部
寝具だけで睡眠の悩みがすべて解決するわけではないものの、身体を休ませる土台にはなるということですね。
三橋先生
そうです。睡眠には生活習慣や体調、寝室環境なども関わります。その中で、マットレスや枕は毎晩身体に触れるものですから、自分の体型や寝方に合っているかを見直す意味は大きいと思います。
良いマットレスに必要な三つの条件

ASLEEP編集部
先生が考える良いマットレスとは、どのようなものでしょうか。
三橋先生
まず、身体を適切に支え、寝ている間も無理のない姿勢を保てることです。次に、身体の一部だけへ負担が集中しないよう、体圧が分散されていること。そして、必要なときに寝返りを打ちやすいこと。この三つが大切だと考えています。
ASLEEP編集部
柔らかいほど身体にやさしい、硬いほど支えやすい、と単純に考えることはできないのですね。
三橋先生
はい。例えば、お尻が沈み込みすぎると身体のラインが崩れます。一方で、硬すぎて背中や腰に隙間ができるようなら、身体を十分に支えられていません。仰向けではお尻だけに圧が偏らず、背中との間でバランスよく支えられていることが一つの目安です。
ASLEEP編集部
立っているときの姿勢と、寝ているときの姿勢には関係がありますか。
三橋先生
背骨はもともと一直線ではなく、自然なカーブを描いています。横になったときも、その人にとって無理のないラインを保てることが大切です。腰が浮きすぎる、骨盤だけが深く沈む、首が不自然に曲がるといった状態では、身体のどこかが補うことになります。見た目の硬さだけでなく、実際に寝たときの身体のラインを確認してください。
ASLEEP編集部
体圧分散は、沈み込ませればよいという意味ではないのでしょうか。
三橋先生
圧を広い範囲で受け止めることは必要ですが、身体全体が深く沈んで動きにくくなっては困ります。支える部分と受け止める部分があり、その人の身体に合わせて働くことが重要です。姿勢保持、体圧分散、動きやすさは別々ではなく、三つを一緒に見ます。
寝返りは眠りを整えるための自然な動き

ASLEEP編集部
人はなぜ、眠っている間に寝返りを打つのでしょうか。
三橋先生
同じ姿勢が長く続くと、一部の部位に圧がかかり続けます。寝返りにはその圧迫を避ける役割があります。また、布団の中の温度や湿度を調整する意味もあります。さらに、睡眠段階が切り替わるタイミングで寝返りが増えることから、眠りの移行を助ける動きとも考えられています。
ASLEEP編集部
寝返りは多ければ多いほど良いのでしょうか。
三橋先生
回数だけで良し悪しは決められません。一般的な大人では一晩に二十回前後という目安もありますが、年齢や体格、体調などで変わります。大切なのは、余計な力を使わず、必要なタイミングで自然に寝返りを打てることです。高齢になると筋力の変化などから、寝返りが少なくなる場合もあります。
ASLEEP編集部
寝返りが多いと、眠りが浅いのではないかと心配する人もいます。
三橋先生
寝返りそのものは必要な動きですから、打っていることを問題と考える必要はありません。ただ、身体が沈み込んで戻りにくいため何度も動き直す、痛みや暑さで頻繁に姿勢を変えるという場合は、寝具や寝室環境が合っていない可能性があります。回数だけを見るのではなく、朝起きたときの身体の状態や、途中で目が覚めていないかも合わせて考えます。
ASLEEP編集部
反対に、寝返りが少ない場合はどうでしょうか。
三橋先生
長時間ほぼ同じ姿勢でいると、接している部位へ圧がかかり続けます。特に筋力が低下してきた人は、身体を持ち上げて向きを変える動作そのものが負担になることがあります。だからこそ、少ない力で身体の向きを変えられる寝具は、年齢を重ねた人にとっても重要です。
FINE REVOが寝返りを支える仕組み

ASLEEP編集部
ASLEEPでは、FINE REVO®で身体を支え、寝返りしやすいマットレスを目指しています。実際に試して、どのように感じましたか。
三橋先生
FINE REVO®の特徴として注目したのは、筋肉の弾力に近い感触です。身体と支える素材の弾力が近いと、身体を動かしたときの力が伝わりやすくなります。そのため、寝返りの動作を妨げにくいと考えられます。
ASLEEP編集部
少ない力でも身体を動かしやすいということでしょうか。
三橋先生
そうです。例えば、バットとボールも、双方の硬さの関係によって力の伝わり方が変わります。それと同じように、身体の弾力に近い素材で支えると、寝返りの力がスムーズに伝わりやすくなります。FINE REVO®には、その点で寝返りを助ける可能性を感じました。
ASLEEP編集部
一般的なコイルやウレタンと比べるというより、身体との相性から考えるということですか。
三橋先生
素材名だけで優劣を決めるのではなく、身体から加えた力に対してどう反応するかを見ることが大切です。寝返りでは、肩や骨盤を動かした力が寝具に吸収されすぎず、次の姿勢へ移る動きを支えてくれることが望まれます。FINE REVO®は押したときに戻る弾力があり、身体の動きへ追従する感覚がありました。
ASLEEP編集部
FINE REVO®を生かすには、周囲のクッション材との組み合わせも重要でしょうか。
三橋先生
重要です。支持材に反発力があっても、上の層が柔らかすぎて身体が深く沈めば、寝返りのしやすさは感じにくくなります。一方で、表面まで硬くしすぎれば肩や腰への当たりが強くなります。FINE REVO®の動きやすさを生かしながら、表面で身体の凹凸を受け止める設計が必要です。
ASLEEP編集部
試していただいた商品の中では、柔らかさについて率直なご指摘もいただきました。
三橋先生
寝返りのしやすさを重視するなら、柔らかすぎて身体が沈み込む状態は避けたいですね。ただし、硬ければよいわけではありません。身体を支えながら、肩や腰など必要な部分は受け止める。そのバランスが重要です。
ASLEEP編集部
今回、複数の仕様を試していただいた中で、評価が分かれた理由はどこにありますか。
三橋先生
同じ素材を使っていても、表面層の柔らかさや厚みで寝たときの印象は変わります。身体を預けた瞬間の気持ちよさだけでなく、仰向けで骨盤が落ちすぎないか、横向きで肩を受け止められるか、そこから楽に寝返りができるかまで試す必要があります。短時間でも、姿勢を変えながら確認すると違いが分かりやすくなります。
体型と寝姿勢から選ぶマットレス

ASLEEP編集部
自分に合うマットレスを選ぶときは、何を確認すればよいでしょうか。
三橋先生
体重だけでなく、背中や腰、お尻のカーブを見てください。例えば、お尻の張りが強い人は、ある程度の柔らかさがないと腰が浮きやすくなります。反対に、沈み込みが大きすぎると姿勢を保てません。身体の形に合わせて支えられているかを確認することが大切です。
ASLEEP編集部
仰向けだけで試せばよいでしょうか。
三橋先生
普段、横向きで眠る人は横向きも必ず試してください。横向きでは肩が当たるため、肩周りに適度な柔らかさが必要です。特に年齢を重ねると、仰向けより横向きで寝る時間が増えたり、寝返りが減ったりすることがあります。肩に圧が集中しないかも見ておきたいポイントです。できれば店頭で実際に横になり、仰向けと横向きの両方を確かめるのがよいでしょう。
ASLEEP編集部
先生ご自身も、年齢とともに寝姿勢が変わったそうですね。
三橋先生
私は五十代になってから、仰向けで眠る時間が減り、横向きで寝ることが増えました。横向きが長いと肩が当たりやすくなるため、肩の部分には柔らかさが欲しくなります。身体は年齢や体調によって変わるので、以前合っていた寝具がずっと同じように合うとは限りません。違和感が続くときは、今の寝姿勢を基準に見直すことも必要です。
ASLEEP編集部
体格が違えば、同じマットレスでも感じ方が変わりますか。
三橋先生
変わります。体重がある人は同じ素材でも沈み込みが大きくなりますし、背中や腰のカーブが大きい人には、隙間を埋める柔らかさが必要です。体重の数字だけでなく、肩幅、骨盤の形、筋肉のつき方、よく取る寝姿勢まで含めて考えると選びやすくなります。
枕はマットレスとの組み合わせで考える

ASLEEP編集部
枕がなかなか合わないと悩む人も多くいます。選ぶ際のポイントはありますか。
三橋先生
枕も、立っているときに近い無理のない姿勢を保てる高さが基本です。高すぎる枕は頭を押し上げてしまうため、思っているより低い高さが合う人もいます。首の隙間に自然に収まり、頭だけが持ち上がらないことを確認してください。
ASLEEP編集部
お店で試したときは合っていたのに、自宅では違和感が出ることもあります。
三橋先生
枕の高さは、組み合わせるマットレスの硬さにも左右されます。マットレスへの身体の沈み込みが変われば、必要な枕の高さも変わるからです。中材を出し入れできるなど、高さを調整できる枕なら失敗を減らしやすいでしょう。マットレスと枕を別々に考えず、寝姿勢全体で確かめることが大切です。
ASLEEP編集部
高さを調整するときは、どこを見ればよいですか。
三橋先生
仰向けでは顎が上がりすぎたり、反対に引かれすぎたりしない高さを探します。横向きでは、首が左右どちらかへ傾かず、背骨から頭までが自然につながる高さが目安です。仰向けと横向きでは必要な高さが異なることもあるので、中央と両側で高さを変えられる枕や、中材を細かく調整できるものは合わせやすいでしょう。
ASLEEP編集部
枕の調整方法を分かりやすく伝えることも大切ですね。
三橋先生
そう思います。調整できる枕でも、使う人が方法を知らなければ生かせません。どこから中材を出し入れするか、仰向けと横向きで何を確認するかを動画などで示すと、自宅でも合わせやすくなります。商品そのものと同じくらい、正しい使い方を伝えることが重要です。
オンラインで選ぶときに確認したいこと

ASLEEP編集部
オンラインでは、実際に寝てから選ぶことが難しいという課題があります。
三橋先生
本来は実際に寝てもらうのが一番です。オンラインで選ぶ場合は、硬さという一つの言葉だけでなく、どのような体格や寝姿勢を想定した商品か、腰や肩がどの程度沈む設計か、寝返りに対してどう反応するかを確認してください。写真や断面図だけでなく、身体を動かしたときの様子が分かる動画も参考になります。
ASLEEP編集部
届いてから確認するポイントはありますか。
三橋先生
最初に仰向けになり、腰が浮きすぎていないか、お尻が落ちすぎていないかを見ます。次に横向きになり、肩や骨盤だけに強く当たらないかを確認します。最後に、何度か左右へ寝返りをして、力を入れずに動けるかを試してください。枕も普段使うものを合わせ、寝姿勢全体で判断します。
ASLEEP編集部
寝た瞬間の柔らかさだけで決めないことが大切なのですね。
三橋先生
そうですね。最初の感触は分かりやすいのですが、一晩の睡眠では同じ姿勢だけでなく、何度も姿勢が変わります。横になった瞬間の心地よさに加えて、支えられている感覚と動きやすさの両方を見てください。
自分に合う一枚は実際の寝姿勢で確かめる
ASLEEP編集部
最後に、マットレス選びに迷っている方へアドバイスをお願いします。
三橋先生
理想は、実際に横になって確かめることです。仰向けでお尻が沈みすぎず、身体のラインを無理なく保てるか。背中やお尻に圧が偏っていないか。横向きでは肩が圧迫されないか。そして、力まずに寝返りを打てるか。この点を確認してください。身体の特徴や普段の寝姿勢は一人ひとり違います。硬さの表示だけで決めず、自分の身体が自然に支えられているかを基準に選んでほしいですね。
ASLEEP MATTRESS
自然な寝返りを支えるマットレスを見つける
硬さだけで決めず、身体の支え方と動きやすさから、自分に合う一枚をお選びください。
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