快眠セラピスト・睡眠環境プランナー
三橋美穂氏監修/提供
寝酒は睡眠にいい?アルコールが眠りに与える影響と見直し方
「寝つきをよくするために寝る前にお酒を飲んでいる」
「晩酌をするとすぐ眠れる」
「お酒を飲んだ日は、夜中に何度も目が覚める」
このような経験はありませんか?
仕事や家事を終えたあとの晩酌は、一日の楽しみという方も多いでしょう。
実際、お酒を飲むと眠気を感じやすくなり、いつもより早く寝つけることがあります。
しかし、「寝つきがよいこと」と「一晩を通して質のよい睡眠がとれていること」は同じではありません。
夜中に何度も目が覚める。
一度目が覚めるとなかなか眠れない。
明け方に早く目が覚める。
朝起きても疲れが残っている。
このような状態がある場合、飲酒量や飲む時間が睡眠へ影響している可能性もあります。
大切なのは、「お酒は絶対にやめなければならない」と考えることではありません。
自分の飲酒習慣と睡眠の関係を確認し、必要に応じて無理のない範囲から調整していくことです。
この記事では、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂氏の知見をもとに、アルコールと睡眠の関係、寝酒の注意点、飲酒量を見直す方法について解説します。
この記事でわかること
- お酒を飲むと眠くなる理由
- 寝つきと睡眠の質が同じではない理由
- アルコールと中途覚醒の関係
- 寝酒が習慣になるときの注意点
- 飲酒量を無理なく減らす考え方
- 1週間でできる睡眠記録
- 飲酒量だけでなく飲む時間を見る理由
- アルコール以外に確認したい睡眠要因
- 寝室・マットレスまで含めた睡眠環境の整え方
お酒を飲むと「眠りやすい」と感じるのはなぜ?
お酒を飲むと、眠くなることがあります。
アルコールには中枢神経の働きを抑える作用があるため、飲酒後にリラックスしたように感じたり、普段より早く眠りにつけたりする場合があります。
そのため、
「お酒を飲めば眠れる」
と感じる方もいるでしょう。
しかし、睡眠を考えるときは入眠までの時間だけを見ないことが重要です。
確認したいのは、
- 夜中に目が覚めていないか
- 目覚めたあと再び眠れているか
- 予定より早く起きていないか
- 朝すっきり起きられているか
- 日中に強い眠気が残っていないか
です。
「早く眠れた」だけで、睡眠全体がよかったとは判断できません。
「寝つき」はよくても夜中に目が覚めることがある
アルコールと睡眠を考えるうえで、特に確認したいのが中途覚醒です。
中途覚醒とは、睡眠の途中で目が覚めることです。
一度目覚めてもすぐに眠れる場合は、それほど気にならないこともあります。
しかし、
- 夜中に何度も目が覚める
- トイレへ行ったあと眠れない
- 明け方に目覚め、その後眠れない
- 目が覚めるたびに時計を見てしまう
といった状態が続く場合は、睡眠環境や生活習慣を見直してみましょう。
原記事でも、飲酒量を減らしたことで、夜中に目覚めたあと再び眠りにつきやすくなったと感じた事例が紹介されています。
POINT
睡眠は「寝つき」だけでなく、「夜中に何度起きたか」「その後眠れたか」「朝どう感じたか」まで含めて確認することが大切です。
「寝酒」が習慣になっていないか確認する
眠れない夜に、
「少しお酒を飲めば眠れる」
と考えることがあります。
たまに飲むことと、眠るために毎晩飲酒することは分けて考えたいところです。
寝酒が習慣になると、
「今日はお酒を飲んでいないから眠れないかもしれない」
「これを飲まないと寝つけない」
と感じるようになる場合があります。
その状態では、眠れない原因そのものを確認する機会が減ってしまいます。
寝つきの悪さが気になる場合は、飲酒だけでなく、
- 就寝時刻
- 起床時刻
- 朝の光
- 日中の活動量
- カフェイン
- ストレス
- スマートフォン
- 寝室の温度・湿度
- マットレスや枕
なども一緒に確認しましょう。
お酒を「ゼロにする」だけが方法ではない
毎晩晩酌を楽しんでいる方に、
「今日から完全にやめましょう」
と言っても、現実的には難しい場合があります。
そこで一つの方法が、まず飲酒量を少し減らして、自分の睡眠がどう変化するか確認することです。
原記事では、毎晩複数本のビールを飲んでいた方について、量を減らしたところ、夜中に目覚めたあとの再入眠が早くなったという本人の実感が紹介されています。
ここで重要なのは、
「飲む・飲まない」の二択だけで考えないこと
です。
例えば、
- いつもの量を少し減らす
- 毎日ではなく休肝日をつくる
- 寝る直前まで飲まない
- 1杯ごとに水やノンアルコール飲料を挟む
など、自分が続けやすい方法から始める考え方もあります。
まずは1週間、自分の飲酒と睡眠を記録する
飲酒と睡眠の関係を確認するなら、感覚だけでなく記録してみるとわかりやすくなります。
例えば、1週間だけでも次の項目を書いてみましょう。
| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 飲酒量 | ビール350ml×2本、ワイン2杯など |
| 飲酒時間 | 19:00〜21:00 |
| 就寝時刻 | 23:30 |
| 夜中の覚醒 | 2回 |
| 再入眠 | すぐ眠れた/30分程度かかった |
| 起床時刻 | 6:30 |
| 朝の状態 | すっきり/普通/疲れている |
| 日中の眠気 | なし/少しある/強い |
数日記録すると、
「飲酒量が多い日は夜中に起きやすい」
「飲む時間を早めた日は朝が楽だった」
「量を減らしても寝つきは変わらなかった」
など、自分なりの傾向が見えてくることがあります。
「昨夜眠れなかった=お酒が原因」と決めつけない
一方で、睡眠はアルコールだけで決まるものではありません。
例えば、
- 仕事で強いストレスがあった
- 夕食が遅かった
- カフェインを多く摂った
- 運動量が少なかった
- 寝室が暑かった
- いつもより就寝時刻が遅かった
- スマートフォンを長時間見た
など、さまざまな要因が影響します。
そのため、
「1日眠れなかったからアルコールが原因」
とすぐに判断する必要はありません。
数日から1週間程度の記録を見ながら、飲酒量やタイミングと睡眠状態に繰り返し同じ傾向があるか確認しましょう。
飲酒量だけでなく「飲む時間」も確認する
アルコールと睡眠の関係では、飲酒量だけでなく飲む時間も確認したいポイントです。
例えば、
「夕食と一緒に飲み、その後は飲まない」
場合と、
「ベッドへ入る直前まで飲み続ける」
場合では、身体がアルコールを処理しているタイミングが違います。
そのため、晩酌を楽しむ場合でも、就寝直前まで飲み続けないことを意識してみましょう。
寝る時間から逆算して、飲酒を終える時間を少しずつ早める方法もあります。
「お酒を飲んだあと喉が渇く」ことにも注意
飲酒後は喉が渇き、水分を多くとることがあります。
その結果、夜中にトイレへ行く回数が増え、睡眠が途切れる場合もあります。
また、飲酒後にトイレへ起きたとき、
- 強い照明をつける
- スマートフォンを見る
- 時計を何度も確認する
と、その後さらに眠りに戻りにくくなる場合があります。
アルコールそのものだけではなく、飲酒後に起こる行動まで含めて睡眠を確認することがポイントです。
寝るためのお酒から「楽しむためのお酒」へ
晩酌そのものが悪いという話ではありません。
食事と一緒にお酒を楽しむ方もいれば、一日の区切りとして飲む方もいます。
ただし、
「眠るために飲む」
ことが続いている場合は、一度目的を見直してみてもよいでしょう。
例えば、
夕食時にお酒を楽しむ → 飲酒を終える → 入浴や読書で落ち着く → 就寝する
という流れをつくります。
飲酒を「睡眠のスイッチ」にするのではなく、睡眠へ向かう時間とは少し分けることを意識しましょう。
お酒以外の「眠る前の習慣」をつくる
寝酒を減らしたいときは、お酒をやめるだけではなく、代わりになる「眠る前の習慣」をつくる方法があります。
例えば、
- ぬるめの入浴
- 軽いストレッチ
- 深呼吸
- 紙の本を読む
- 照明を少し落とす
- ノンカフェインの飲み物を飲む
などです。
毎晩同じような流れをつくることで、
「お酒を飲んだから寝る」
ではなく、
「夜の活動を終えて休息へ切り替える」
という習慣をつくりやすくなります。
飲酒習慣だけでなく寝室環境も一緒に見る
飲酒量を減らしても、寝室環境が合っていなければ、夜中に目覚めることがあります。
例えば、
- 寝室が暑い・寒い
- 湿度が高い
- 外の音が気になる
- 照明が明るい
- マットレスが身体に合っていない
- 枕の高さが合っていない
- 寝返りしにくい
といった状態です。
睡眠を改善したいときは、アルコールだけを原因と決めつけず、生活習慣と寝室環境の両方を確認しましょう。
マットレスは夜中の目覚めにも関係する?
マットレスが直接すべての中途覚醒を引き起こすわけではありません。
しかし、
- 腰や肩に圧迫感がある
- 身体が沈み込みすぎる
- 寝返りに力が必要
- 寝床が蒸れる
といった状態では、睡眠中に違和感を感じる場合があります。
飲酒量を見直すのと同時に、身体を休める場所そのものが快適かも確認しましょう。
寝返りしやすい寝具環境を確認する
睡眠中、人は自然に姿勢を変えています。
寝返りには、
- 身体の一部への圧力を分散する
- 同じ姿勢が続くことを防ぐ
- 寝床内の熱や湿気を調整する
などの役割があります。
マットレスが柔らかすぎて身体が深く沈み込むと、寝返りに大きな力が必要になることがあります。
一方で、硬すぎる場合は肩・腰などへ圧力が集中する場合があります。
大切なのは、身体を適切に支えながら、自然に姿勢を変えられることです。
Fine Revo®と自然な寝返り
Fine Revo®(ファインレボ)は、ASLEEPが採用している独自素材です。
多数の短い円柱形エレメントが、身体からの荷重に応じて、
- 上下
- 前後
- 左右
- 斜め
方向へ柔軟に変形します。
寝返りでは肩・腰・骨盤などが横・斜め方向へ移動します。
Fine Revo®は、こうした睡眠中の多方向への身体の動きへ対応することを特徴としています。
ASLEEP ORIGINAL MATERIAL
飲酒習慣と寝具は別々に考えながら、睡眠環境全体を見る
飲酒量を減らしたからといって、すべての睡眠の悩みが解決するとは限りません。
同じように、マットレスを替えただけですべてが改善するわけでもありません。
睡眠には、
生活習慣 × 飲酒 × ストレス × 光 × 温度・湿度 × 寝具
など多くの要素があります。
そのため、「どれが悪い」と一つに決めるのではなく、気になる要因を一つずつ確認していくことが大切です。
Fine Revo®の仕組みを見る飲酒と睡眠を見直す7つのチェックポイント
1.「眠るため」に飲んでいないか
寝酒が習慣になっていないか確認します。
2.量が少しずつ増えていないか
以前より量が増えている場合は、一度見直してみましょう。
3.寝る直前まで飲み続けていないか
飲酒を終える時刻を少し早められないか確認します。
4.飲んだ日の夜中の目覚めを記録する
飲酒量と中途覚醒に傾向があるかを見ます。
5.朝の状態を確認する
寝つきだけでなく、起床時のすっきり感まで確認します。
6.アルコール以外の要因も見る
カフェイン、ストレス、温湿度、スマートフォンなども一緒に確認します。
7.寝具が身体に合っているか確認する
仰向け・横向き・寝返りで、肩や腰へ強い違和感がないか確認しましょう。
アルコールと睡眠についてよくある質問
Q1.お酒を飲むと早く眠れるなら、寝酒でも問題ないですか?
寝つきが早くなっても、夜中の覚醒や朝の状態まで含めて睡眠全体を見る必要があります。眠るために毎晩飲酒する習慣になっている場合は、一度見直してみましょう。
Q2.お酒を完全にやめないと睡眠は改善しませんか?
必ずしもゼロにすることだけが方法ではありません。飲酒量や飲む時刻を少し変え、その後の睡眠がどう変化するか確認する方法もあります。
Q3.飲酒量を減らした効果はどう確認すればいいですか?
飲酒量、飲酒時間、夜中に起きた回数、再入眠、朝の状態などを1週間程度記録すると、自分の傾向を確認しやすくなります。
Q4.お酒を飲んだ日は必ず睡眠が悪くなりますか?
睡眠はアルコールだけで決まりません。ストレス、カフェイン、就寝時刻、寝室環境など複数の要因があるため、繰り返し同じ傾向があるか確認しましょう。
Q5.寝酒をやめても眠れません。どうしたらいいですか?
就寝・起床時刻、朝の光、日中の活動、カフェイン、スマートフォン、寝室環境、寝具なども確認しましょう。眠れない状態が長く続く場合は、医療機関へ相談してください。
飲酒量の自己調整が難しい場合は専門家へ相談する
「減らそうと思っても減らせない」
「飲まないと強い不安を感じる」
「毎日の飲酒量がかなり多い」
という場合は、自己判断だけで無理に調整しようとせず、医療機関などへ相談してください。
特に長期間多量に飲酒している場合、急に飲酒を中止することが適切でないケースもあります。
また、
- 強いいびき
- 睡眠中の呼吸停止
- 日中の強い眠気
- 数週間以上続く不眠
などがある場合も、アルコールだけの問題と考えず、専門家へ相談することが大切です。
まとめ|「眠るためのお酒」ではなく、自分の睡眠を確認する
アルコールを飲むと眠気を感じ、普段より早く眠れることがあります。
しかし、寝つきが早いことと、一晩を通して質のよい睡眠がとれていることは同じではありません。
睡眠を確認するときは、
- 夜中に何回目覚めたか
- 再び眠るまでどのくらいかかったか
- 朝早く目覚めていないか
- 起床時に疲れが残っていないか
- 日中に強い眠気がないか
まで見てみましょう。
そして、「お酒が悪い」と一律に考えるのではなく、
- 飲酒量を少し減らす
- 飲む時間を早める
- 1週間記録する
- 寝酒以外の入眠習慣をつくる
- 寝室環境や寝具も確認する
といった方法で、自分の睡眠との関係を確認していくことが大切です。
ASLEEPのFine Revo®は、多数の短い円柱形エレメントが上下・前後・左右・斜め方向へ柔軟に変形し、睡眠中の身体の動きへ対応することを特徴としています。
飲酒習慣を見直すときも、毎晩身体を預けるマットレスが自然に寝返りできる環境になっているかを確認してみてください。
眠るために飲むのではなく、眠れる環境を整えたうえでお酒との付き合い方を考える。
それが、毎日の睡眠を見直す一つの方法です。
監修・提供
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー
三橋美穂氏
本記事は、睡眠に関する専門的な知見をもとに、ASLEEPが独自に構成・編集したものです。
※本記事は睡眠や寝具に関する一般的な情報を紹介するもので、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。飲酒量の自己調整が難しい場合、長く続く不眠、強いいびき、睡眠中の呼吸停止などがある場合は、医療機関へご相談ください。
原記事
「117. アルコールを減らして睡眠改善」
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 三橋美穂氏のSleepeace Café掲載記事をもとに、ASLEEP向けに独自構成・編集しています。
BETTER SLEEP HABITS
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